きままブログ

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佐藤さん

      2016/01/06

佐藤さんが、また我が家へ来た。

土日抜かして、午後2時になると必ず我が家へ来るようになってしまった。

はじめはわたしも退屈していて、なんとなく佐藤さんを家の中へあげて、

お茶を出したりお菓子を食べておしゃべりを楽しんでいたのだけれど、

こう毎日来られると正直つらい。

「加津代さん、お茶もう一杯いいかしら?」

最近はお茶のお代わりも催促するようになってしまった。

「このお茶もう出がらしみたい。新しいお茶っ葉入れた方がいいんじゃない」

とも言うようになった。なんだかな。わたしは、佐藤さんが我が家へやって

来るのが苦痛になっていた。それで今日は午後1時に外へ出て

買い物へ行くことにした。普段のわたしはお昼前に済ましてしまうのだけれど、

2時過ぎに家へ帰れば、佐藤さんを家にあげずにすむだろう。

わたしはゆっくり自転車を漕ぎ、スーパーではじっくり食品を選び、

最後は近くのバーガーショップでコーヒーを注文してコーヒーを飲んだ。

ふと、スマホを見ると、佐藤さんからLINEが入っていた。

心がドキリとする。

「何処に行ってるの?玄関の前で待ってまーす」

その字を読んだとき、わたしは心の中でメラメラ怒りがわき起こってきた。

どこまで図々しい人なんだろうか。わたしはその返事を無視した。

3時過ぎに恐る恐る自分の家へ帰った。なんで、こんなに心がビクついて

家へ帰らなきゃいけないのよ…と、余計に腹立たしかったけれど

玄関の前は誰もいなかった。わたしは胸をなで下ろした。

庭に洗濯物が干してあったので、買い物袋を玄関の前へ置き、

洗濯物を取り込んでリビングの窓からそれを放り投げようとしたとき、

なんとリビングのカウチに佐藤さんが座ってこちらを向いて

手を振っているではないか!わたしは恐ろしくなって、

どんな顔をしていいかわからなかった。ニコリと笑わなきゃいけない

ような気がしたけれど、怒りと恐ろしさで、

わたしの表情は引きつっていたと思う。

玄関へまわり、買い物袋を抱えて鍵を開けようとすると、

中から佐藤さんが鍵を開けた。「どうして中へ入れたの?」

わたしはそう尋ねようとする前に彼女は言った。

「お宅のケンちゃんが学校から帰ってきてね。ケンちゃんが

わたしを入れてくれたのよ」佐藤さんはふふふと笑っていた。

ケンは佐藤さんにお茶をだしたみたいだった。

わたしは何か言ってやろうかと思っていると、

佐藤さんは和やかにこう言った。

「これねお裾分け、鉄砲漬けなんだけど食べて、

これを今日は渡したかったの、それじゃあわたしはこれで帰るわ」

そういうと佐藤さんは、サンダルを履いてさっさと自分の家へ

帰っていった。わたしの心はなんだか暗雲が広がっていった。

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